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2021.07.17

暮らしのコラムVol03「港町のかわいい本屋さんの日常とおすすめ本」


一月と六月 鳥取県境港市日ノ出町48

鳥取県境港市、みずきしげるロードを南に抜けた一角にある、白と青のコントラストが爽やかな外観の港町のかわいい本屋さん『一月と六月』。
店主の日常とおすすめの本を紹介したコラムです♪


 普段雨さえ降らなければ明け方に海辺に出来たサイクリングロードか公園の小さな起伏を使ったクロカンコースを走っています。走り終えて自宅に帰ったら湯を沸かして家族分のコーヒーを淹れます。続きに朝食の用意をします、とはいっても冷蔵庫の野菜室からサラダに使えそうな買い置きの野菜を取り出して水洗いするまでのことです。タンパク質を補うためにゆで卵を足せば完璧です。ここまでは4年近く毎日のようにやっていて慣れてるはずですが、コーヒーの味は安定せず淹れるたびに変わります。紙フィルターを使ってドリップをしていますが、時々カッコつけて布フィルターで抽出を試みてもフィルターの洗いが雑でなのか、えぐみが出て泣くこともよくあります。サラダにはオリーブオイル、バルサミコ酢に粗塩を振掛けています。テレビのワイドショーでアマニ油が体に良いと聞けばついスーパーに走ってしまいます。こうゆう具合にあれこれ手を出しては失敗しています。

 昼食はほぼ一人なので外食が多いんですが昼時のお店の混雑が嫌で家で週に2,3度作ります。そんな時はサバ缶の水煮にありあわせの野菜や豆腐を入れてなんだかよくわからない煮ものにしてみたり、それなりに吟味した生蕎麦を茹でて納豆を載せて食べたりしています。昼食はレシピ本を使わず作っているので自立していると誰かに言って欲しいとと思っています。
 夕食は私以外の家族が適当に交代しながら作ってくれます、ほんの偶にですがスーパーの割引品がテーブルに乗ることもあります。夕食時に家族はそれぞれ好きなアルコールを摂取しています。私は庭に勝手に生えてきたミントの葉っぱがあるので炭酸で割ったラム酒をモヒートと称して飲んでいます。カクテルのレシピ本を読むと小難しいことが書いてありそうなので最初から読まないようにしています。


一月と六月内観

 凡そのレシピ本には小さじ半分とかカップ三分の一とか計るのがめんどくさそうな数字で表現されることが多いのでむやみに近寄らず脇から眺めています。
敢えて手元に置くレシピ本を探すとすれば、最近晶文社より刊行された細川亜衣さんの『taishoji cookbook』がお薦めです。細川さんが結婚を機に移り住んだ熊本・立田山の麓、泰勝寺で2016年から始めた料理教室の記録です。料理と人と自然を繋ぐ場を目指す彼女の思いが伝わってきます。レシピ本ですから何グラムとか、四分の一とか、あまつさえ氷砂糖をざくろの種子と同量などといった頭を抱えそうな単位も出てきますが大丈夫。ページを開くと紙質にもよるのかもしれませんが落ち着いた色調の大写しにされた素材のきりっと艶めかしい美しさに引き込まれるように見入ってしまいます。つい、作ってみようかなんて思ってしまう懸念もないではありませんが、恐れずに作家と写真家の真剣勝負を堪能しましょう。

おすすめ本
『taishoji cookbook』晶文社 著:細川亜衣
https://www.shobunsha.co.jp/?p=6527
taishoji 料理教室
https://www.taishoji.com/

Writer profile

一月と六月

  • 店主 阿部義弘
  • 一日を気持ちよく過ごすために必要な道具と衣類そして書籍の集まる場所としてお店を開きました。
    夫婦二人で始めたのでそれぞれの誕生月から『一月と六月』と名付けました。
  • TEL 0859-44-1630
  • HP http://ichigatsutorokugatsu.com/