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2021.10.02

暮らしのコラムVol07「No Rice , No Life~ごはんソムリエとおうち時間~」

店舗外観

島根県松江市の藤本米穀店5代目、藤本真由(まさよし)と申します。
弊社は宍道湖と中海を繋ぐ大橋川沿いに店があり、明治26年にお米の商いを始めて130年ほどになります。(米屋を始める前はウナギやスッポンなど鮮魚の仲買商をしていたようです。)

店舗内観

私個人としましては、1982年に松江市で生まれて高校卒業まで地元で過ごしました。
その後大学進学で兵庫県西宮市へ行き、大学卒業後は関西で就職、計7年間の関西生活を経て松江へ戻りました。
大学は商学部で、就職先はメーカー機能も持つ総合食品卸。
どちらも将来的に米屋になることを見据えて選んだ道でしたが、思えば保育所の頃からずっと「将来、米屋になる」と言い続けていたので、そこでついに夢?目標?のスタートに立てたことになります。
ただし、中学校の卒業アルバムには「世界一の米屋になる」と記しているので、その道のりはまだまだ険しく遠いようです。

さて、松江に戻ったときから、とにかく自らの足で産地へ行き、現場を見たり、生産者の皆さんのお話しを聞いたり、逆にこちらからお客様の声をお届けしたりすることを心がけています。
そのような中、分かってきたことは、同じ産地で同じ品種でも、「作る人によってできるお米が全く違う」ことです。
お米は日本では年1作の作物です。
10年経っても10回しか経験できません。

特に近年は異常気象が続き、前年の経験がそのまま翌年に当てはまるかというと、そうはなりません。
そのような中でも安定的に良質なお米を作り続けるには、経験に加えて人の工夫や知恵、勘が必要になってきます。

普段何気なく袋詰めされたお米が並ぶのを見かけるかと思いますが(もちろんその裏では弊社のような流通業者によって安全な商品にする努力があるのですが…)、それも全て生産してくれている生産者の皆さまの苦労や努力の結晶です。
日本の食を支えてくださっている皆様には本当に感謝ですね。
生産量の話をすると驚かれることが多いのですが、島根県のお米の生産量は全国のわずか1%ほどです。
それでも、島根は東西に長く、海も山も島もあり、気候も生産者さんもそれぞれです。
そのため島根だけを見ても色々なお米が存在し、また同じ産地・品種・生産者でも年によってできるお米が異なります。

藤本米穀店としては、ブランドに頼るのではなく、作る人と食べる人を繋ぐ橋渡しの役割として、産地の想いとその結晶であるお米を、大切にご案内させて頂ければと考えています。

そして、食べる方の「美味しい」のお声を生産者様に届け、「また頑張って作ろう」「より良いお米を作ろう」と、良い循環を生み出せるようなお米の流通のお手伝いをしていければと思います。

また、私事ですが令和3年9月現在でこどもが4才、2才、1才と小さく、以前にも増して食の安全安心というところに気が向くようになったと感じています。

できるだけ使用農薬を少なめようとか、生態系を崩さないよう成分に気を付けるとか、SDGsにも繋がるような考えですがそのような思いを持って生産されているお米や生産者さんをいかにお伝えしていけるかというのも課題として持っているところです。

ここまで少し抽象的な話が多かったですので、では具体的にどのようなお米があるのか。
主に島根県産のお米を中心に取り扱っていますが、以下に一部をご紹介します。

○島根県・吉賀町「注連川の糧」
~高津川清流米~

水源の高津川は日本の一級河川の中でも唯一ダムが無く自然のまま残る川です。その川とそこに住むいきものの環境を守る農業を実践する「注連川の糧」さん。日本最大級のコンクールでの受賞実績も多数。

○島根県・吉田町
「うやま米」

雲南市吉田町の最も奥地に位置する宇山地区。標高は400~500m。1000m級の山からの雪解け水が田んぼを潤し、周囲半径15km以内には工場もありません。高い栽培管理能力により島根米の種もみも栽培しており、翌年の島根米の大元を担っています。

○島根県・雲南市プレミアムつや姫
「たたら焔米」

雲南市の厳しい独自基準をクリアしてプレミアム認定を受けたつや姫です。大粒で整っており、張りと弾力がありながら、噛むと粘りと甘みがしっかり出ます。冷めてからもモチモチ感と甘みが増してきます。

○島根県・隠岐の島
「島の香り隠岐藻塩米」

栽培期間中の稲に藻塩の水溶水を散布する、特長的な農法を採用しています。昔アラメを肥料として土壌に活用した昔の農法を現代版にアレンジ。メディアに多数取り上げられ話題性もバツグンの隠岐藻塩米です。

○島根県・飯南町「颯乃米」
(アイガモ農法・農薬不使用栽培米)

アイガモ農法によって農薬・化学肥料を一切使用せずに栽培したお米です。安全安心に加え、高冷地での栽培なので上質です。このお米を使用してレンジ調理専用の玄米ごはんも開発しました。

○島根県飯南町「とんばら門」
(美味しまね認証取得米)

高品質で安全・安心な、食べる人に望まれる米作りを目指し飯南町でも先進的にエコロジー栽培米に取り組んできました。美味しまね認証取得のほか、使用農薬5割以上減の上、生態系への考慮としてネオニコチノイド系農薬不使用です。

○鳥取県・日南町「山ノ幻米」
(笠木営農組合)

仁多米産地の奥出雲町から峠を越えて隣接する鳥取県・日南町。仁多米の環境と同じです。笠木営農組合さんはお米の品質を全てデータとして蓄積し、より良い米をと進化を続けています。

○新潟県・南魚沼コシヒカリ
(井口農場)

日本で一番有名な米どころ新潟。その中でも最も上質なお米の生産地として名高い南魚沼のコシヒカリです。仁多米との東西横綱食べ比べもおススメです。

○宮城県・ササニシキ
(農事組合法人志賀)

コシヒカリとは逆に粘らずあっさりとした食感が特徴のササニシキ。平成5年の冷夏でほとんど作られなくなった品種ですが、現在でも根強いファンの多いお米です。寿司に最適です。

一部しかご紹介できていませんが、まだまだ店頭にはたくさんの種類のお米が並んでいます。

商品一覧はコチラから
https://fujimotobeikoku.com/menu
オンラインショップでもご購入頂けます
https://fujimotobeikoku.shop-pro.jp/

おうち時間という言葉をよく聞くようになって久しいですが、日々食べるお米に少し意識を向けてみて、色々なお米を試して自分の好みと向き合ってみるのはいかがでしょうか。
インターネットでもお米の情報を発信していますし、店頭で具体的にお話しを聞きながらお米選びのお手伝いもさせて頂きます。
是非、お気軽に藤本米穀店までお問い合わせ下さい。

日常の中に「今日のお米は何?」というような会話が生まれますように。。。
No Rice , No Life …

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