35坪平屋の間取り成功例|島根・鳥取のプロが教える3LDK・4LDKの気候対策の実例

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ハウマガ編集部

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「島根や鳥取で開放的な平屋に住みたい。」
「平屋に家族で住むなら3LDK・4LDKで35坪くらいはほしいな。」
そんな風に想像しながら、新しい住まいの外観や間取りを考えるのは楽しい時間です。
この記事では、単なるおしゃれな間取り紹介だけではなく、山陰特有の気候課題を解決し、ご家族が末永く笑顔で暮らせる平屋づくりの実例をご紹介します。
TSKさんいん中央テレビ住宅部門の監修のもと、地域に特化した間取り作りの成功例をお届けしますので、ぜひ参考にしてください。
山陰の平屋は間取りが重要!知っておくべき4つの気候課題
山陰地方は全国的に見ても湿度が高く、冬には積雪もあるなど、住宅にとっては厳しい環境です。
デザインの良さだけで間取りを決めてしまい、気候特性を無視したプランにすると、住み始めてから「こんなはずではなかった」と後悔するかもしれません。
山陰地方では、間取りプランを設計する際に、主に以下の4つの気候課題があります。
1湿気
→ 逃げ場のない湿気がこもり、結露やカビが発生
2.日照不足
→ 日中でも電気が必要で、リビングが薄暗く寒い
3.寒さや雪
→ 雪の重みへの不安や、毎日の雪かきが大きなストレス
4.強風
→風圧による玄関ドアの開けにくさや、飛来物で窓ガラスが割れる危険性
「住んでからの失敗」を防ぐためには、山陰の課題を克服する間取りプランを立てることが重要です。
【課題別】山陰の気候を克服する!35坪平屋の間取り成功例
山陰特有の気候課題は間取りの工夫次第で、そのほとんどを軽減できます。
ここからは、「湿気・雪・日照不足・強風」という4つの課題別に、35坪平屋で実現できる間取りの成功例を具体的にご紹介します。
1. 【湿気・カビ対策】風と光を取り込む間取り
湿気や部屋干しの悩みを解決するには、風と光を上手にコントロールする間取りが有効です。
・風の通り道を作る
→ 家の南北など対角線上に窓を配置し、家全体を風が通り抜けるように設計する。
・室内干しスペースを設ける
→日当たりの良い場所に、洗濯物が乾きやすいランドリールームやサンルームを設置する。
2. 【冬の寒さと雪対策】暖かさと利便性を両立する間取り
冬の厳しい寒さや雪かきの負担を、間取りの工夫で軽減できます。
・太陽熱を利用する
→南面に大きな窓を設け、冬の貴重な日差しを室内に最大限取り込み、天然の暖房として活用する。
・雪かきを楽にする
→玄関横に除雪道具や濡れたコートを置ける土間収納を設置する。
・濡れない動線にする
→駐車場から玄関まで屋根のあるアプローチを確保し、雪や雨の日もスムーズに出入りできるようにする。
3. 【日当たり対策】家の中心まで明るくする間取り
日照時間が短い山陰では、家の奥まで光が届くよう建物の形を工夫しましょう。
・多方面から採光を得る
→家の形をL字型やコの字型に設計し、複数の壁面から光を取り入れられます。
・中庭を設ける
→建物の中心に中庭を作ることで、プライバシーを守りながら家全体を明るく照らしてくれます。
4. 【強風対策】風の影響を受け流す間取り
強い風による騒音や暮らしにくさを、玄関や窓の設計によって軽減できます。
玄関の位置を考慮する
玄関の配置は冬に最も強く吹く卓越風を基準に考えます。
島根ではこれがシベリアからの冷たい「北西の風」にあたります。この風上(かざかみ)にあたる北西側は、風圧でドアの開閉が困難になるため玄関には不向きです。
そのため、玄関は風の影響を受けにくい「風下(かざしも)」や、建物の「くぼみ」に設けるのが快適な家づくりのセオリーです。
窓の種類や配置を工夫する
卓越風が直撃する北西側の窓は、数を減らし、サイズを小さくするのが鉄則です。
開閉の必要がない場所なら、最も気密性が高いFIX窓(はめ殺し窓)を、開閉が必要な場合でも気密性の高い「すべり出し窓」を選びましょう。
「雨戸」や「シャッター」を設置すると、風で飛ばされてきた飛来物から窓ガラスが割れるのを防ぎ、家全体の安全性を高めます。
35坪でも「狭い」と感じさせない!3つのポイント
ワンフロアで生活のすべてが完結する平屋は、以下の要素が日々の暮らしの質、つまり「住みごこち」にダイレクトに影響を与えます。
家事動線
収納計画
プライバシーの確保
これらの計画は35坪の平屋を広々と使うために大切なポイントです。山陰の気候対策に加え、間取りプランの基本ポイントを押さえましょう。
1. 【家事動線】「ながら家事」で時短を叶える間取り
毎日の家事負担を軽くするには、複数の作業がスムーズにつながる「ながら家事」動線を意識した間取りが最適です。
“一歩も動かず”完結する洗濯
ランドリールームのすぐ隣や同じ空間に、家族全員分の普段着をまとめて収納する大きなクローゼットを設ける間取りであれば、洗濯にかかる時間が劇的に短縮できます。
「洗濯機→乾燥機→たたむ→しまう」のすべてが一か所で集中して作業を終えられ、家事負担は大きく軽減されます。
さらに、その場から洗濯物を動かさないため、リビングのソファやダイニングテーブルが洗濯物で散らかることもなくなります。
料理と片付けが”同時に”進むキッチン
キッチン横にパントリーと、ゴミを一時保管できる勝手口を配置。料理をしながら食材を取り、出たゴミはすぐ外へ。
ゴミ出しの前夜にリビングがゴミ袋で溢れることもなくなります。
2. 【収納計画】「使う場所」にしまう適材適所な間取り
収納は量だけでなく「どこに何があれば便利か」という視点が大切です。家族の行動に合わせた収納計画をした間取りであれば、家は自然と片付きます。
「ただいま!」の後の動線をスムーズに
玄関に大きめのシューズクロークを設置すると、お子様の泥だらけの遊び道具やベビーカー、夫のゴルフバッグもすっきり片付きます。
お出かけ用品をすべてクロークへ収納するようにすると、リビングに余計なものを持ち込むことがなくなります。
朝の身支度を”リビングで”完結させる
リビングの一角に家族全員の普段着をしまえるファミリークローゼットをおくのも一案です。
朝、お子様がパジャマのままリビングに来て、そこで着替えが完了するので、ママの負担も減ります。
3. 【プライバシー】家族と程よい距離感を持てる間取り
ワンフロアだからこそ、家族の空間とプライベートな空間の分け方が、暮らしの快適さを左右します。
生活音”に配慮した配置
リビングと寝室の間に廊下や収納スペースを挟むと、生活音が直接伝わるのを和らげることができます。
そのため、受験勉強に集中したいお子様や、夜遅くまでテレビを楽しみたいご家族がいても、お互いに気兼ねなく快適に過ごせます。
“来客時”に慌てない動線
玄関からプライベートな空間を通らずに直接リビングへ案内できる動線を確保しましょう。
そうすることで、急な来客時でも散らかった部屋を見られる心配がありません。
家族がストレスを感じることなく、いつでも気軽にお客様をお迎えできます。
まとめ
この記事では、山陰の厳しい気候の中でも快適に暮らせる、35坪平屋の間取りの成功例を解説しました。
本記事の重要な点は以下の通りです。
・間取りの成功はデザイン性だけでなく、山陰の気候課題を解決できるかが重要
・日々の生活を想定した「家事動線」「収納」「プライバシー」を意識して設計することが大切
35坪の平屋づくりを成功させるためには、単におしゃれな間取りを真似るだけでなく、その土地の気候や風土まで深く理解した設計にあります。
そのためには、山陰の厳しい自然環境を熟知し、山陰の土地での家づくりに長けたパートナー選びは、平屋づくりの成功に不可欠です。
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脚注:
第2編【住まい手向け】長持ち住宅ガイドライン | 国土技術政策総合研究所
第 5章 住生活の設計と創造 | 文部科学省
省エネ住宅 | 家庭向け省エネ関連情報 | 経済産業省 資源エネルギー庁

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山陰の家づくりを全力応援する住まいるマガジンのスタッフ記事です!
次回もお楽しみに!

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