あははは(笑)。いやはや暑いですね。

いえ「オザワ」です。自身も左官職人だった父、小澤友三が１９６８年、左官工事を担う「有限会社小沢工業」を立ち上げたんですが、２００５年に私が住宅部門を追加。「オザワ」の子どもだから「コザワ」にしたんです。

あ、分かりました？かなり悩んだんですけどね。国民的キャラクターと同じにすると子どもが名前負けするんじゃないかと妻に反対されまして。断念しました。

弟と２人で左官業を始め、最大14、５人の左官職人を抱える会社にまで育てあげた父を尊敬していました。職人としても格好良かった父の背中を見てきたせいか、物心つく頃には跡を継ごうと考えていました。
でも私が高校生の頃には、新建材の台頭やローコスト工法の浸透などで左官業は斜陽産業の一つになっていたんです。左官の需要がゼロになることはないでしょう。でも将来性には不安を覚えていました。そこで、まずは建設全般を学ぼうと工業大学に進学し、卒業後は大阪の大手不動産ディベロッパーに就職。それから３年間勤め、当初の予定通り帰郷しました。

運命の方との出会いがきっかけですね！
あ、いえ、妻ではありません(笑)

ゴホン…。帰郷後は父の下で左官修業をしていたんですが、壁塗りを依頼されたお客様から「ついでにトイレも直したいんだけど」「キッチンのリフォームも」などと言われることがちょくちょくあって。普通は断るんでしょうけど、当時は若かったし、やれることは何でもやってやろうという気持ちが強かったんですね。
大阪の会社では現場監督も経験していたので、業者に連絡したり、図面を描いたりすることもできました。いつの間にか、左官よりリフォームの仕事でスケジュールが埋まるようになっていました。

はい。そんな中、母の友人に自宅のリフォームを頼まれたんです。しかし家の状態を見ると大規模な改修をせざるを得ず、見積りの金額も多額になったため新築を提案したんです。そしたら「小沢さん建てて」と真剣に言われちゃって。当時、うちは建設業許可を持っていなかったので新築は無理だったんです。

そう、でも不思議なものです。頭の中ではすぐに許可を取得して、新築を建てるイメージが勝手に浮かんできていました。「やろう」って思ったんです。

いやホントですよね（笑）経験も技術もまだまだな私に、よくぞ一生モノの家を預けてもらったものだと思います。でも信頼して頂いたからには必死になりました。何度も何度もヒアリングを重ね、描いた図面の数は数十枚にも。

ええ、「１」を「２」や「３」にするリフォームの仕事と、「ゼロ」を「１」にする新築の仕事はまるで違って。とにかくお客様の喜ぶものを、とがむしゃらになりました。
竣工し、施主さんのお孫さんが広いリビングを走り回っている様子を見た時は涙が出ました。

ふふふ、それは長～くお話ができそうですね…。